第9回講義 7/17 教科書pp. 155-162
4 カルボニル基
[1]
アルデヒド、ケトン

性質
◆ C=O基の分極によりCはδ+ になり、Oはδ- に帯電する。

◆ 酸、塩基によるα位水素の脱離

(英語: enolate、エノレート、エノレイト)
(ドイツ語: Enolat、エノラート
)
◆ 1,3-ジカルボニルのエノール化

二つの二重結合が共役した方が安定
アルデヒド・ケトンの反応
アルデヒド・ケトンの反応には C=O の C へ求核付加反応、あるいは
α 炭素上に生じるアニオンが求核試薬となる求核反応がある。
1) C=O基 の C への求核攻撃
C=O基の分極によりCはδ+ になり、そこに求核試薬が攻撃する。
例:

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反応の起こりやすさ:



(glucose の各種構造式は最後の補足にあります)
2) カルボニル基のα 位水素の脱離後のα 位Cからの求核反応
(アルデヒド、ケトンのα位の水素は置換反応を受け易い)
反応例@: ケトンα位の臭素化

反応例A: ケトンα位のメチル化

・
アルデヒドは酸化されやすい。

・ ケトンにはカルボニル基の炭素に水素(H)がないので、酸化されない。
5 カルボキシ基
カルボン酸
一般式 R-COOH
◆ エステル化反応
1) 酸触媒下におけるカルボン酸とアルコールの脱水縮合

2) 活性アシル中間体を経る方法(下図は一例)

3)縮合剤を用いる方法(下図は一例)

ほかに多数の縮合剤がある。
◆ アミド化反応
カルボン酸とアミンの脱水縮合でアミド得られる。しかし、カルボン酸
(酸)とアミン(塩基)を単純に反応させると、酸−塩基反応が起こり
塩を生成してしまうため、脱水縮合は起こりにくい。通常、カルボン酸と
アミンを直接反応させるためには脱水縮合剤が用いられる。脱水縮合剤
には DCC (N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド)などがある。
生化学領域ではペフチド合成に利用されている。


[3]マレイン酸、フマル酸

二重結合は回転できないので、互いに幾何異性体である。
[4]ハロゲン化酸、ヒドロキシ酸
|
有機酸 |
Ka |
酸の強さ |
|
CH3-COOH |
1.75 X 10-5 |
弱い |
|
Cl←CH2-COOH |
1.5 X 10-3 |
↓ |
|
CHCl2-COOH |
5.0 X 10-2 |
↓ |
|
CCl3-COOH |
2.0 X 10-1 |
強い |
|
CF3-COOH |
3.0 X 10−1 |
強い |
|
CH3→CH2COOH
1.3
X 10-5 乳酸 CH3-CH(OH)-COOH 1.38 X 10-4 |
||
カルボン酸のα位炭素上に電気陰性度の大きな元素があると、
その誘起効果(電子を引き付ける作用, inductive effect)により
カルボン酸の酸性度は増加する。電子を押し出す基があると
酸性度は減少する。
例: プロピオン酸 CH3CH2COOH のKa
= 1.3×10-5
CH3-基は誘起効果(+I 効果)により電子を押し出す。
----------------------- 補足 ------------------------------------------

D-glucose の各種構造式

第9回講義 ----- 終り -------
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